ダイエットにおける食事の基本|PFCバランスを知ろう


今回はダイエットをしたい、という人のためにダイエットに必要な基本的な知識を解説します。
紹介するのは、結果にコミットするダイエット法です。
少し長くなりますが、この記事を読めばダイエットに必要な知識は一通りおさえることができるので、ダイエットの手助けとなること間違いなしです。

巷ではいろいろなダイエット手法が現れては消えています。
例えば
・朝バナナダイエット
・断食ダイエット
・プロテインダイエット
などです。
朝食をバナナに置き換えたり、一食分をプロテインに置き換えたりすることで総摂取カロリーを減らす、ことが目的でしょう。
しかし、一食を置き換えたところでそれ以外の食事が適切でなければおそらく効果はでないでしょう。
なぜ痩せられるのか、が明確でない限りおそらくそのダイエットは失敗します。

今回紹介することはダイエットの基本の知識と実践の仕方です。

どうすれば痩せるのか、という理屈を知っていれば再現性のあるダイエットが可能になります。
そして日ごろから好きなものは食べつつも太らない食べ方を意識することができるようになります。

モチベーションの観点からみても、本当に効果があるのかな?と半信半疑で行うよりもはっきりと効果が想像できれば、楽しんでダイエットできるようになります。

本記事の構成
  1. 重要な2つのポイント
  2. 基礎代謝と一日の消費カロリー
  3. PFCバランスを意識した栄養管理
  4. ローファットダイエットがおすすめ
  5. 食事管理のコツ
  6. 食事の摂り方

1.重要な2つのポイント 

まず、ダイエットをする上で重要なことは2つあります。
1つは食事です。
PFCバランスを守り、カロリー収支のバランスを『消費カロリー』>『摂取カロリー』にすること。(PFCバランスについては後ほど詳説します)

もう1つが筋トレです。
ダイエットをするならば筋トレも並行して行うべきです。
それが、効率的にダイエットでき、ダイエットしてできたスリムな体を維持することにも有効だからです。

本記事では、食事について取り上げていくので、なぜ筋トレが必要なのか、なぜ食事制限のみでのダイエットが難しいのかについては以下の記事で解説しています。ぜひご覧ください。
関連記事→ダイエットには運動も取り入れるべき理由

2.基礎代謝と一日の消費カロリー

脂肪を燃焼させるためには1日の消費カロリーが1日の摂取カロリーを上回る必要があります。
これが絶対条件です。

『消費カロリー』>『摂取カロリー』のバランスに収めるために、まずは自分の一日の消費カロリーを知らなくてはいけません。

一日の消費カロリーは自身の「基礎代謝量+活動代謝量」で決まります。

基礎代謝とは寝ている状態でも消費される、人間が生きていくために最低限必要なエネルギーになります。
基礎代謝はこちらのサイトで測ることができます。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228736

一日の消費カロリーはこちらのサイトで計算することができます。→http://onigiridiet.com/step.html
こちらで算出した一日の消費カロリーから基礎代謝を引くと活動代謝量が分かります。

上記のサイトを使い、自身の基礎代謝と活動代謝が分かったところで、一日に摂取しても良いカロリーを算出していきます。
例えばこんな感じになります↓

(例)20歳 男 
身長165cm 体重80kg 体脂肪率18%
基礎代謝 1800kcal
活動代謝 800kcal
一日の総消費カロリー 3200kcal

一日の消費カロリーが3200kcalならば減量をしていくためには摂取カロリーをこれよりも低くおさえていけば良いわけです。
では、摂取カロリーは何キロカロリーに抑えればよいでしょうか?

目安として、一か月間で落とす体重の目標は、体重の3~5%が良いでしょう。
なので一か月で2~4㎏を落とすことが目標になります。

なぜなら、それ以上のペースで減量するとなると、大幅なカロリーカットが必要になるからです。
急激な体重減少は体の負担になりますし、体が必要とする栄養量に対し、栄養が不足するので体が危機を感じ、減量が停滞してしまうこともあります。
ですのでまずはゆるい制限から始め、減っていく体重に合わせて、少しずつ摂取カロリーを落としていけばよいでしょう。

話を戻します。
脂肪を1㎏落とすためには7200kcalの消費が必要とされています。
一か月に2kgの減量を目標とするのであれば一か月で14400kcalを消費していく計画になります。
これを30日で割ると一日におよそ480kcalを制限すればよいことになります。

よって一日に摂取してよいカロリーは3200kcal-480kcal=2720kcalとなります。

3.PFCバランスを意識した栄養管理

一日の消費カロリー3200kcalに対して、一日の摂取カロリーを-480kcalの2720kcalにすると決めました。

それでは次は、この2720kcalをどんな食事からとっていくのかを考えます。

そこで、重要なのがPFCバランスです。

PFCバランスとは…健康を維持していくための三大主要栄養素である、タンパク質、脂質、炭水化物の摂取バランスのことを言います。
Protein=タンパク質
Fat=脂質
Carbohydrate=炭水化物
この三つの栄養素をバランス良く取っていくことが必要になります。

ダイエットには大きく分けて2つのやり方があります。
脂質を抑える『ローファットダイエット』。
そして糖質を抑える『ケトジェニックダイエット』です。

今回は一般的かつシンプルに行えるローファットダイエットを扱っていきますので、ケトジェニックダイエットについては触れませんが別記事で取り上げようと思います。

4.ローファットダイエットがおすすめ

まず、どの栄養素をどれだけ食べるかですが、ダイエット中重要となるのがタンパク質です。
タンパク質は人間の筋肉、爪、髪の毛、皮膚を作っている重要な栄養素です。
ダイエット中は、脂肪は落としても筋肉は極力落とさないように進めたいので、筋肉を維持するためにも、タンパク質はしっかりと摂っていく必要があります。

またタンパク質は空腹感を抑えたり、脂肪燃焼をしやすくなるアミノ酸も含まれているため、ダイエット中でも大切な栄養素になります。

このタンパク質を除脂肪体重×2gを目安に摂るようにします。
除脂肪体重とは、自分の体重から脂肪分の重さを引いた体重になります。
体脂肪率がわかるのであれば体重に体脂肪率をかけて出た数字を体重から引いてください。
80kg、体脂肪率18%ならば、脂肪量は14kなので除脂肪量は66㎏ということになります。

ということで66×2=132
タンパク質は1gあたり4kcalなので132×4=538(kcal)
よってタンパク質で一日538kcal摂ることになります。

次に脂質を摂る量を考えます。
脂質は総カロリーの10~20%ほど摂ります。
一日に摂取してよいカロリーは2720kcalなので20%は544kcal
脂質は1gあたり、9kcalなので
544÷9=約60 
脂質の摂取量は60gとなりました。

最後に炭水化物の量ですが、ここまでで求めたタンパク質と脂質のカロリーを総カロリーから引くことで求められます。
2720-538-544=1638
炭水化物は1g当たり4kcalなので
1638÷4=約409
よって炭水化物の一日当たりの摂取量は409gだとわかりました。

ここまでをまとめると

20歳 男 身長165cm 体重80kg 体脂肪率18%
基礎代謝 1800kcal
活動代謝 800kcal
一日の総消費カロリー 3200kcal
減量目標 -2kg/月
目標摂取カロリー...2720kcal/日

PFCバランス
P=132g (=528kcal)
F=60g (=540kcal)
C=409g (1638kcal)

これが、一日のPFCバランスとその求め方になります。
ちなみに、2720kcalというと、結構色んなものが食べられるのですが、この例の方の場合、一日に必要とする消費カロリーが多いため、2720kcalも食べても痩せます。

ただ、脂肪燃焼し体重が下がってくるのに伴って消費カロリーも下がってくるので体重が減らなくなってきます。
なのでそれに応じて摂取カロリーも減らしていく必要があります。

ダイエットを進めるうえで自分の食べたものを記録し、PFCバランスを管理できるアプリがあるのでおすすめです。
こちらからDLできます→https://www.myfitnesspal.com/ja/

以上が、食事制限における基本的なカロリー計算の考え方になります。

おすすめのタンパク質や食事例は別記事にて取り扱っているのでぜひごらんください。

食事管理のコツ

PFCを計算して、記録をとって、という食事管理は結果にコミットするには大変有効な手段です。
しかし、面倒くさいのが実際です。
ですが、本当に痩せることを考えると、遅かれ早かれPFCを管理することになると思います。
なぜなら感覚的な食事管理でカロリーを調整し痩せることができている人や、自身のダイエット法を確立している、という人なら、そもそもダイエットに悩んでないからです。

とはいえやはり食事を管理する、というのは面倒なことです。
その面倒なことを少しでも楽にするためのコツを紹介します。

①主に食べるものを限定する
毎日献立を考え、それぞれの料理のカロリーを考えるのは大変です。
なのでダイエット中に口にする主な食品を限定してください。
例えば、炭水化物はごはんから、タンパク質は鶏むね肉から、というように主な栄養源を限定することでカロリー計算が容易になります。

限定するのはある程度、で構いません。
それもダイエット期間中ずっと同じ食事、というわけでもなく、1週間や3日間の期間ごとに変えていけば飽きも防げるので良いと思います。

②主な食品のPFCを覚えてしまう
よく食べるもののPFCを覚えてしまえば、PFCバランスを頭の中で計算しながら食事を選択できるようになります。
例えば
ごはんの炭水化物量は100g当たりおよそ35gです。
鶏むね肉のタンパク質量は100gあたりおよそ25gです。
卵1個のタンパク質量はおよそ7g、脂質も6gほど。
プロテインのタンパク質量は40gでおよそ30gだ。
という感じです。

とはいえ、PFC管理を継続していれば勝手に覚えてくるものでもあります。

この2つを実践することができれば食事管理はかなり楽になります。

また、食事をPFCで管理することの大きなメリットがあります。
それはPFCの設定の範囲内であれば好きなものもある程度食べられる、ということです。

例えば、アイスクリームはダイエット中の禁忌である、と考えるかもしれません。
ここで、あるアイスクリームの栄養成分表を見てみます。

エネルギー 230g
タンパク質 4.5g
脂質 10g
炭水化物 30g

栄養成分だけを見ると、これを食べたから太る、というほどのカロリーではありません。
このカロリー、PFCが自分が設定している一日の摂取目標に収まるのであればこれらは食べても良いわけです。

アイスクリームを食べることで目標カロリーをオーバーしてしまうのであれば、ほかの食事でカロリーを調整すれば良いわけです。

数値で管理することで、好きなものも前向きな気持ちで食べられる、というのもメリットの一つです。

食事の摂りかた

最後に目標摂取カロリー2700kcalの人の一日の食事の例を紹介します。

目標PFCバランス (数字キリがよくなるよう微調整してます)
P=125g (=500kcal)
F=60g (=540kcal)
C=400g (1636kcal)

理想としてはこれらを5食、6食と分割できるのが理想です。
なぜなら、朝昼夜の一日3食の場合、上記のPFCを3分割するとなると、一食あたり炭水化物を130gも摂ることになります。これはごはんにでいうと400gに相当します。

加えてタンパク質も一緒に食べるわけですから、一度の食事量が多くなります。

しかし、消化器系が一度に消化吸収できる炭水化物量、タンパク質量は限りがあります。
そして炭水化物として吸収できなかった炭水化物は脂質に変換されて蓄積されます。

なので、無駄な脂肪をつけないためには、食事の回数を増やして、一食あたりの炭水化物の摂取量を減らすことが効果的です。

5食に分割する場合
食事①P=25g F=12g C=100g
食事②P=25g F=12g C=100g
食事③P=25g F=12g C=100g
食事④P=25g F=12g C=100g
食事⑤P=25g F=12g 

夜の食事⑤のあとは寝るだけなので炭水化物を抜きます。

社会人の方などはこういった方法は現実的ではないので、自分のライフスタイルに合わせて調整してください。
以上がダイエットに関する食事について紹介しました。

ダイエットで大切なのは継続することです。
基礎知識を参考に自分のライフスタイルや性格に合わせて、自分なりのやり方を見出していくことが継続するためのコツです。

次は筋トレ編です。

まとめ
・ダイエットで重要なのは食事の管理と筋トレ
・自身の基礎代謝と一日の消費カロリーを知ることが大切
・PFCバランスを意識してタンパク質、脂質、炭水化物をバランスよく取る
・食事の回数を増やすと太りにくい

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